To the upper world

巷では、なにかと2.0で片付けようという風潮だけど、広告使って消費者(最近は生活者っていうのかな)の心をつかむのはやっぱりクリエイティブがなくちゃ始まらない、と思いつつ・・・

Saturday, October 21, 2006

CMディレクター杉山登志


8月28日の「テレビCMの日」に放映された資生堂提供の2時間スペシャルドラマ『メッセージ〜伝説のCMディレクター杉山登志』について。

番組の中で2度だけ流された資生堂の企業広告「新しい私になって」篇が話題になってますね。

「♪本日わたしはふられました〜、わかっていました無理めだと〜」という歌詞で始まるシンプルな曲に、問い合わせが殺到しているんだって。

歌ってるのは熊木杏里(キングレコード所属)っていうシンガー・ソングライター、そしてこの独特の歌詞を書いたのは東北新社取締役でCMディレクターでもある中島信也氏(もちろんこのCMのディレクターです)。

あまりの反響にCD化されるみたい。(2006年11月22日発売予定)
熊木杏里個人サイト:http://www.kumakianri.com/

そして資生堂も、このドラマだけのために作られたこの企業広告を、再びオンエアするそうで。(もう流れてるのかなぁ?)

さて、話はドラマに戻って。
CMディレクターの杉山登志氏・・・(実を言うと知らなかった)

なぜ伝説と言われているか?

カンヌなど数々の広告賞を受賞し、名声を欲しいままにしていた昭和48年12月に、自宅で首をつって自殺してしまったんですね。
まだまだ、多くの作品を残すことができただろう37歳という年齢で・・・

そして、彼の残した遺書がこれまた伝説に輪をかけている。

  リッチでないのに
  リッチな世界などわかりません

  ハッピーでないのに
  ハッピーな世界などえがけません

  「夢」がないのに
  「夢」をうることなどは……とても

  嘘をついてもばれるものです


考えさせられるなぁ・・・

そんな杉山登志氏の作ったCMをまとめて見てみたくネットを色々探したのですが、見つけられなかった。
作品の後半はほとんど資生堂のCMだったみたいなので、資生堂のページも探したんだけど・・・

ただ、その資生堂のサイトで、初代社長である福原信三の、とある言葉が目に止まった。

「ものごとはすべてリッチでなければならない」

欧米留学の体験をもとに、資生堂に意匠部というクリエイティブなセクションを設立した福原は、資生堂のデザインポリシーを「リッチ」というキーワードにして資生堂のスタイルを確立していったんですね。

杉山登志氏の遺書にある「リッチでないのに リッチな世界などわかりません」という一文を深く考えてしまうのは自分だけでしょうか・・・ 深く考えすぎかなぁ・・・

杉山登志氏とその時代のCM制作の様子は、元電通のクリエイティブディレクターである小田桐昭氏が語っている以下のサイトに詳しい。

ACCtion! Vol.102:私のCM史、そして…出会った方々

昔はパロディCMなんか作ったり、結構自由にやってたんですねぇ。

うーーーん、ますます杉山登志氏の作品を見てみたくなった。
どっかで見られないものなのでしょうか? アドミュージアムにでも行ってみようかなぁ・・・

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